世の中には、世間一般で「障がい」や「病気」と呼ばれるものを抱えながら、力強く生きている猫さんがたくさん。その障がいの症状や受けている治療、おうちでのサポート法などが広まれば、里親さんや「ずっとのおうち」に巡り会える子も増えるはず。
そこで、今回から障がいや病気を持つ猫さんの暮らしを紹介します。
※この企画に込めた想いは下記に綴っていますので、一読いただけたら嬉しいです。
この企画に込めた想い
第一弾は、我が家で暮らす「肥大型心筋症」のジジ。
ゆあ
- 愛猫が「肥大型心筋症」と診断された飼い主さん
- 心臓病の愛猫への自宅ケアを知りたい人
- 猫の心臓病について知りたい人
目次
ジジのプロフィール
名前:ジジ
猫種:マンチカン
性格:おっとりとしていて優しい。ちょっぴりドジっ子な猫らしくない猫。
すきなこと・もの:納豆、下僕の足
病名:肥大型心筋症
かかりつけ病院:「えさき動物病院」(岐阜県)
肥大型心筋症とは?
心臓の筋肉(心筋)に異常が現れる病気。肥大型心筋症は心筋が分厚くなることで、心室が狭くなり、血液の循環に支障が出て、肺水腫や胸水、呼吸困難などが見られることがある。
脱臼を機に、肥大型心筋症が判明
――発症の経緯は?
キャットウォークから転落したようで左後ろ足が脱臼した時、動物病院で念のため、血液検査を行ってもらったら、心雑音が少しあったため、エコー検査や心臓バイオマーカーを用いた検査もしてもらうこととなり、判明しました。
猫の心臓病は早期発見が難しいと言われることを知ってはいましたが、本当に無症状だったので、「まさか、うちの子が…」と驚きました。
――いま行っている治療は?
検査により、腎臓病であることも判明したので、動物病院で処方いただいた「フォルテコール」という薬を1日1回服用して経過観察をしています。
――ストレスを軽減するためにしている、投薬時の工夫は?
「フォルテコール」は錠剤なので、お皿の上に乗せ、スプーンを押し当てて砕き、ちゅ~るに混ぜて食べさせています。
自宅で気をつけている3つのコト
――家庭で過ごす中でしている工夫や配慮は?
「心臓に負担がかかりすぎない遊び」をしています。もともと、あまり動かない子ですが、運動によって心臓に負担がかかりすぎないよう、必ず休憩を入れ、様子を見ながら遊んでいます。
そして、「びっくりさせない」ことにも気を付けています。なんとなく、びっくりさせると心臓に負担がかかるのでは…と思うので、声をかけてから触ったり、目がまん丸になるほど驚くようなことはしないように意識。大きな物音を立てないように、心がけてもいます。
また、「食事での体重管理」を徹底しています。もともと体重が軽い子ですが、心臓に負担がかかるので太らせないようにと獣医師から言われたので、この子にとってのベスト体重である3~4kgくらいを維持しています
体重管理は「運動」よりも「食事管理」で
――具体的な食事管理の方法は?
猫のダイエットは運動より食事管理のほうが効果が表れやすいので、適正量を守り、フードをあげています。秋や冬など、食事量が増えやすい時期は、量はそのままに、普段1日2回の食事を3~4回に増やし、満腹感を得られやすくしています。
また、ドライフードより満足感が得られやすく、食いつきがいいので、ウェットフードもたまにあげています。夏や冬は脱水対策にもなるので、おすすめです。
――愛猫が心臓病になったからこそ感じたことは?
猫の心臓病は早期発見が難しく、目に見える症状が現れた時には手遅れ…というケースも少なくありません。だから、「うちの子は元気」だと思っている方も定期健診などで心臓の状態を調べてみてほしいです。
ジジの心臓病が分かった時、獣医師は「猫の心臓病は、心雑音から見つけることが難しい場合も多い」「血液検査だけでは、断定できないこともある」と言っていたので、私が受けた心臓マーカーや心エコーなども検討し、しっかりと心臓の状態を調べてほしいと思います。
また、おうちで愛猫が遊んだ後に、いつも息を切らしていたり、肉球にチアノーゼ(赤紫色になる)が見られたりする場合は、すぐに獣医師に相談してほしいです。
- ジジへ

これからも、一緒に長生きしようね。病名は違うけれど、私もあなたと同じ心臓病。お互い、完治することはないけれど、一緒に病気と上手に付き合いながら、「らしい日常」を楽しみつくしていこうね。