お仕事の依頼はこちら

原因が不明な「形質細胞性皮膚炎」に愛猫がなった時にできることは?

障がいや病気を持つ猫さんの暮らしを紹介する、この企画。
※この企画に込めた想いは下記に綴っていますので、一読いただけたら嬉しいです。
この企画に込めた想い

第5回目は、我が家の愛猫レオン。

「形質細胞性皮膚炎」を患い、手術を行った時の話を紹介します。

この記事をおすすめしたい人
  • 猫の肉球の異変に悩んでいる人
  • 形質細胞性皮膚炎の治療法が知りたい人
  • 形質細胞皮膚炎の術後の経過が気になる人

レオンのプロフィール

名前:レオン
猫種:ミックス
性格:やんちゃで好奇心旺盛。新しいもの好き
好きなこと:下僕が買ってきた新しいものを何でも俺色に染めること
病名:形質細胞性皮膚炎

――形質細胞性皮膚炎ってどんな病気?

カサカサになる、腫れる、赤紫色になるなどの異変が1つ、または複数の肉球に表れます。

肉球にコブのような腫瘍ができた場合は出血したり、歩くのを嫌がる、足を引きずるなどの行動が見られたりすることも。

腫れた肉球は、やがてしぼみ、空気が抜けた風船のようになりますが、手術が必要なケースもあり。猫が発症するのは稀で、免疫系が関係しているのではないかと言われていますが、詳しい原因はまだ解明されていません。

――乾燥していた愛猫の肉球から出血

――病気に気づいた経緯は?

2年前の11月。レオンの肉球を見ていたら、乾燥していることに気づきました。

冬が近いからかと思い、動物用の保湿クリームを塗るも一向に良くならず…。

なんとなく、肉球が腫れているようにも思え、様子見を続けていました。

すると数週後のある朝、起床して猫たちがいるリビングへ行くと床が血だらけ。レオンの肉球を見るとパンパンに腫れて、小さなコブのようなもの(腫瘍)ができており、それが出血していました。

――動物病院で行った治療は?

「形質細胞性足底皮膚炎」であるかどうかの判断は、コブを切除して病理検査をしないと分からないと言われました。

けれど、症状からみて「形質細胞性足底皮膚炎」であると思われるとのこと。この病気は次第に腫れた肉球がしぼんでいき、日常生活を送る中で自然にコブが破れ、完治することが多いと聞きました。

歩行に問題はなく、痛がってもいないのでコブが破裂するまで待ってみようと言われ、ひとまず3週間置きにステロイドの注射を打つことに。

完治までには3~4ヶ月ほどかかるそう。エリザベスカラーをして患部を舐めないように過ごすこととなりました。

――経過観察中、自宅で気を付けていたことは?

床が血だらけになるので、毎日掃除。患部から細菌などが入るのが怖かったので、清潔に保てるようにも気を付けました。

獣医師からはガーゼで肉球を覆うのも良いと言われましたが、外してしまったり、ストレスを感じているように見えたりしたので、人間側が掃除を徹底しました。

あとは毎日、肉球をチェック。腫れやコブが悪化していないか観察しました。

2ヶ月経つとコブが大きくなってきた

――1ヶ月後の治療経過は?

肉球はしぼんできたものの、コブが大きくなってしまったため、切除手術を提案されました。

ただ、肉球は縫合が難しく、手術しても裂けることもあるため、獣医師も積極的に勧めはしませんでした。

相談した結果、もうしばらく様子見をし、それでもコブが破裂しないようであれば切除するという方針になりました。

――様子見する中で気を付けたことは?

治療中に他の足にも同じような症状が現れることがあると聞いたので、病気が発症している肉球だけでなく、他の足にも異変が見られないか、注意深く様子見していました。

レオンの場合は、すべての肉球が腫れてしまいました。

――他に行っていたことは?

エリザベスカラーがどうしてもストレスになってしまうので、プラスチック製ではなく、柔らかくて軽いものを購入しました。

あと、Twitterで同じ病気を発症した飼い主さんを探し、どんな治療を行ったのかを伺いました。すごく心強かったです。
※その時に得た情報はnoteにて公開中

完治を信じてコブの切除手術を決意

――その後、肉球はどうなったのか?

一向にコブが破れる気配がないため、切除手術に踏み切ることに。病理検査をし、コブを調べてもらうことにしました。

手術は日帰り。当日は朝から絶食で、お水もダメ。費用は病理検査も含め、2万円。肉球にメスをいれるので、またちゃんと歩けるのかがすごく不安でした。

――手術後の様子は?


幸いにも、上手く縫合できたようで、術後は出血が止まり、歩き方もこれまで通り。


部屋の中で普通に過ごさせてもいいと言われたので、様子見しながら過ごさせることにしました。

ただし、肉球はくっつきにくいため、3週間ほどはエリザベスカラーを装着し、傷口を舐めさせないようにと言われました。病理検査の結果、コブは良性腫瘍でした。

――思わぬハプニングが起きたそうで?

私が悪いのですが、後日、少し目を離した隙に棚へジャンプしてしまい、それから足を引きずるように。

骨折かと思ったので、すぐに病院へ行くと、なぜかまた肉球が腫れていると言われ、膿を出してもらうことになり、抗生剤を処方されました。

様子見するため、1週間はケージ生活と言われたので、ジャンプができないよう、横にした猫用ケージの中で過ごしてもらうことに。

毎日、抗生剤をちゅ~るに混ぜて飲ませていました。術後の、この時期が一番辛そうでした。

――その後の経過は?

徐々に元気を取り戻してくれ、10日ほど経つ頃には、すっかりもとのやんちゃさんに。けれど、しばらくは月1回、注射を打ち、様子見。

エリザベスカラーの隙間から傷口を舐めている様子を何度か見かけたので、心配していましたが、獣医師からは「この子の傷はあまり舐めてなくて綺麗だね」と言われました。

本ニャンなりにすごく頑張っていたのだなあと感慨深かったです。

なお、エリザベスカラーを外す前、獣医師からは「1ヶ月分の毛づくろいをするから、あらかじめブラッシングをして、毛玉を吐くのを防ごう」とのアドバイスをいただきました。

また、いきなり丸1日外すと、傷口を舐め、1日でまたパンパンに腫れてしまうことがあるため、外している時間を少しずつ長くすることが大切だとも教えてもらいました。

病気の再発を防ぐためにフードをチェンジ

――再発防止のために行ったことは?

原因が分からない病気ではあるけれど、同じ病気に苦しんだ飼い主さんからアレルギー用のキャットフードをあげると症状が軽減したり、悪化しにくくなったりしたと聞いたので、我が家もフードをチェンジ。

効果があったと聞いたナチュラルバランスの「グリーンピー&ダック」をあげるようになりました。

獣医師からは「フードを変えても効果があるかは分からない」と言われましたが、あげはじめて1ヶ月後、腫れていた他の肉球がしぼんでいきました。

――現在、肉球はどんな状態なのか?

症状が悪化したら、また通院して注射を…と言われましたが、その後は、ありがたいことに再発していません

ただ、レオンはアレルギー用フードの味があまり好みではなく、ずっとあげていると食べなくなってしまうので、症状が出やすい11月から2月くらいまではアレルギー用フードをあげ、他の季節は他猫と同じピュリナワンをあげています。

肉球は空気が抜けた風船の触感のままですが、今のところ、腫れることはありません。

    レオンへ

    あの時は、大変な思いをしたよね。よく頑張ったね。生後間もなく、保健所に収容され、猫カフェのオーナーさんに救出されたあなたが我が家に来てくれたこと、嬉しく思っています。これからも、私の猫彼氏でいてね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)